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LED照明は「つけっぱなし」で寿命が伸びるってホント?

電気スイッチを指で押す

 

従来の蛍光灯の照明では、「こまめなON/OFF」操作は寿命を短くすると言われてきました。「つけっぱなし」の方が性能への悪影響が少なく、長く使用できるとされています。では、LED照明でも、長く使い続ける上では「つけっぱなし」の方が良いのでしょうか?

 

今回は、LED照明の寿命を延ばす上で、「つけっぱなし」と「こまめに消す」のどちらが適切か解説していきます。

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LED照明の寿命

LED照明は、既存電球等と比較すると、白熱電球の約20倍程度、蛍光灯の約3倍程度の寿命があるといわれています。

 

  1. LED照明:40,000時間ほど(1日8時間点灯で13年)
  2. 白熱電球:1,000~2,000時間ほど(1日8時間点灯で125-250日)
  3. 電球型蛍光灯:6000~12000時間ほど(1日8時間点灯で2-4年)

 

では、LED照明における「寿命」とはなにを指すのでしょうか。

 

JIS(日本産業規格)は「照明器具-第3部:性能要求事項通則」のなかで、一般照明用途に用いられる白色LEDモジュールの寿命の定義を『照明器具製造業者が規定する条件で点灯したとき、LEDモジュールが点灯しなくなるまでの総点灯時間または、全光束が点灯初期に計測した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間を推定したもの』と定めています。

 

「初期光束の70%」というのは、ざっくりと「新品と比べて7割程度の明るさ」と理解しましょう。つまり、LED電球の寿命というのは、点灯しないか、新品と比べて7割程度の明るさを維持できなくなったときを指します。

従来型は「こまめにON/OFF」で劣化しやすい

中部電力ミライズの調査によれば、白熱電球と蛍光灯において、照明を「こまめにON/OFF」すると、「つけっぱなし」の場合に比べて照度が低くなることが示されました。ここで「こまめにON/OFF」とは、1分毎にON/OFFを繰り返すこと、「つけっぱなし」は12時間連続ON+12時間連続OFFと定義されています。(参照:カテエネ研究所 コラム

 

従来型照明では、電源を入れた瞬間に、電源装置が瞬間的に高い電流を求めるため、一時的に大きな電流が流れる現象が起こります(突入電流)。白熱電球では、スイッチを入れてから発熱するまで、100分の一秒間ほど通常電流の8~20倍の突入電流が発生するそうです。

 

蛍光灯の調査では、点灯・消灯時の突入電流により、1回のON/OFFで寿命が約1時間ずつ短くなる特性が示されました。

 

こまめなON/OFFの繰り返しは、従来型照明の性能維持には好ましくありません省エネ目的での点灯・消灯は、過度に行うと寿命を縮めることにつながるので、注意が必要です。

LED照明は「こまめにON/OFF」でも劣化しにくい

一方、LEDは「こまめにON/OFF」を繰り替えしても、劣化しにくいことがわかっています。

 

LED照明では、先述した突入電流は発生しません。これは、LEDには従来型にあるような高抵抗の部材(フィラメント等)が存在せず、点灯直後に発光を始めるからです。

 

したがって、一般照明器具であれば、「ON/OFFで寿命に影響はほとんどない」と考えてよいでしょう。ただし、LED電球の周辺機器の仕様により突入電流が発生する場合もありますし、事業所や倉庫などで大量に導入する際は力の増幅も考えられますので、注意が必要です。

 

また、調光機能を搭載した照明器具の場合、LED電球も調光器対応タイプを使用しなければ寿命が低下するなど、特別な配慮が必要なケースもあります。不安な点があれば、専門業者や販売点に相談しましょう。

LEDの特性をつかんで長く使おう!

この記事では、「こまめにON/OFF」と「つけっぱなし」がLED照明の寿命にどう影響するかを整理しました。結果、LEDはこまめにON/OFFを繰り返しても性能への影響は少ないということがわかりました。つまり「つけっぱなし」で寿命が伸びるということもないということです。

 

LEDの特性を理解して上手に活用すれば、お得に長く使用できます。この記事を参考に、照明にかかる費用を賢く節約してくださいね。

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